吉田K

98Y

2018-01-01から1年間の記事一覧

正しい言葉遣い

「小説の言葉尻をとらえてみた」「古語と現代語のあいだ ミッシングリンクを紐解く」という2冊の本を読み、私たちが普段無意識に使っている「言葉」そのものについて考えなおす良い機会となった。日本語に正解も間違いもない。あるのは個々人の使う現実の日…

日本の農業はなぜ衰退したのか

日本や中国では現在、産業の発展に伴う農村の衰退、そして食糧自給率の低下が問題となっている。一方同じく先進国である米国は農作物輸出国であり続け、高い食糧自給率を維持している。ここには一体何の違いがあるのか?今回は農業の構造的相違について見て…

表象と実態のずれ

ポストフォーディズム社会では実態が常に評価される。その評価は監査され、名声を広める(または落とす)のに用いられる。よって本質的に目標を果たすために行動するのではなく、目標を果たしているように表象(アピール)することを目標とするようになる。この…

A・コント

コントは社会学の祖とされている人物である。 彼は1789年のフランス革命と、ヨーロッパにおける産業革命を社会変動・伝統の崩壊の発端とみなし、宗教によって人間の行動を説明することには限界があると考え、代わりにそれを科学で説明しようとした[実証哲学…

ライシテという「正義」

フランスではライシテと呼ばれる政教分離主義が採用されている。これによって公の場では十字架を飾るなどの行為は禁止される。 これは19世紀にフランスの支配者であったカトリックから独立した政治・文化を確立しようと当時のフランス市民が勝ち取った、宗教…

他者理解

レヴィナスによると「他者を理解すること」は「他者の中に自分と似た点を探し気持ちや考え方を想像すること」ではなく「他者の、自分とは異なる背景・思考(他者性)を尊重すること」である。日本で他者理解といえば前者の文脈で語られることが多い(いじめられ…

RED ヒトラーのデザイン

読了 ナチスドイツの妖しい魅力をデザインの観点からとても分かりやすく説明してくれた。当時最先端であったモダニズムに沿った、それでいて伝統を感じさせる魅力的な建築や意匠、シンプルで洗練されたハーケンクロイツ(右卍)、それらを常に国民の目に触れさ…

本当にわかる言語学 佐久間淳一著

しばらく前に読了 私たちは無限の事象を有限の述語によって説明するために似た事象を概念化しているということを再認識した。 昔ブログでそのようなことを書いたのを思い出した。http://k-98y.hatenablog.com/entry/2016/01/26/223447 ちなみにこの本の内容…