吉田K

98Y

表象と実態のずれ

ポストフォーディズム社会では実態が常に評価される。その評価は監査され、名声を広める(または落とす)のに用いられる。よって本質的に目標を果たすために行動するのではなく、目標を果たしているように表象(アピール)することを目標とするようになる。この連関は個人においても会社においても公的機関においても同様である。彼らは全員、表象と実態が乖離していることは知っているが、皆(想像上の他人)は知らないはずであるから言ってはならない、と了解している。

よって他人が知らないはずであるという前提が崩れた時(具体的には、誰かが公の場でそれを口に出した時など)、その実態なき表象は一気に崩壊する(実は社会主義の崩壊もまさにこのような流れで起こったものである)。